寒い札幌のホットなストーリー
最初からおかまたちが生き生きと描かれていて、ストーリーの波の中にあっという間に埋没してしまう。
後はただページを繰るだけ。
主人公の減らず口が楽しい。
声を立てて笑い、うんうんと納得して、結末は「ん?」の部分もあったけど、ストーリー展開のうまさ、「ひとりぼっち」のタイトルのわりに暖かな「俺」の世界で、十分おつりが来ると思った。
上質のハードボイルドだ。
探偵「俺」の好きな奴です。
我々男族の大半がそうであるよう。自分が大好きな女性または、大好きだった女性は世界で一番かわいい女であること。読んでいる間、「俺」に向かって「わかるよ」と答えている自分がいます。ストーリーは「ススキノ地域にて最高に性格が素敵なオカマ」が殺害される謎解き展開。わけのわからん組織に袋叩きにあい。ボロボロの「俺」。知り合いのヤクザ屋さんは今回は一番ハードボイルドしてます。ヤクザ屋=ハードボイルドは個人的には好きではないな・・・。殺人事件と「俺」の彼女に対するばからしく、まじめな表現、結末は個人的に大笑いし、満足しました。最後の彼女の言葉に「ホッ」と幸せにしてくれます。
ススキノガイドブック
探偵「俺」シリーズはハードボイルド作家・東氏のホームグラウンドであり、へそみたいなものなのでしょう。札幌に在住する自分も、何冊か読んでいます。その、「俺」シリーズの最新文庫ということで読んでみました。 感想は「!???」です。 ディテールは、読んでいて楽しいです。架空のビルは「あ、あそこだな」って見当がつくから。 だけど、今回は、プロットがいただけません。ラスト数ページで「まさかこれで終わりじゃないよね?どんでん返しはまだあるんでしょ?」という期待は見事、裏切られました。 あまりに突飛&伏線の張り方もガタガタ。おなじみのキャラも出番の的確さを欠いて消化不良。 東氏の「なら読むな」とすごむ顔が想像できそうですが、それにしても、、、。 ミステリやハードボイルドは、ディテールが命なのか?プロットが命なのか?考えさせられる一冊。
シリーズの一つの到達点だろう
『探偵はバーにいる』でススキノ探偵の<俺>がデビューしたのがちょうど今から10年前の1992年。本書は長編第四作で1998年。28歳だった<俺>も中年の領域に入り、可愛い恋人もできて、多くのススキノの脇役たちとの繋がり方もよりいっそう年輪を経て、磨きがかかっている。 ハードボイルドの探偵はたいていどこか孤立した存在で反社会的な傾向があるものだが、このシリーズの主人公も例外ではない。そればかりか、むしろへらず口を武器に、真っ向から多くの社会の側から押しつけられる価値観に牙を剥いたりもする。 オカマのマサコちゃんが嬲り殺しにされる事件に端を発する、かなり奥深い今回の事件も、社会の闇に切り込んでゆく颯爽たるナイトの物語でありながら、ススキノで酒ばかりカッ食らう快?\主義者の<俺>は欠点だらけで親しみやすい非常に身近な存在であり続ける。まあ、それがこのシリーズの最大のポイントなのだけれど。 この主人公を作り出すことでほとんど成功したシリーズではあるけれど、ぶつかる敵の大きさは巻を重ねるごとにどんどん巨大になってゆくイメージがある。本作では権力に影響を与えることのできる代議士の不正に挑戦。 北の街のリアルな描写のなかで、ゆったりと好きな映画を好きなように語る主人公の面白おかしさがあるかと思えば、一気に緊張に持ってゆく権力機構の闇の暴力が取って代わる。これ以上ないようなメリハリがこのシリーズの厚みである。娯楽性と、何とも言えぬ人間たちの物語。友情の物語であり、そして愛情である探偵を取り巻く生活の匂い。それを書き切ることのできる筆力の確かさ。 この頃から東直己の作品からは大きな作家的自信を感じ取ることができるようになってきた。多作とは言えない彼が、作家という商売だけで飯を食えるようになるには、それでももう少しだけ時間を要さねばならなかったという話である。
早川書房
探偵は吹雪の果てに (ハヤカワ文庫 JA) 向う端にすわった男 (ハヤカワ文庫JA) 消えた少年 (ハヤカワ文庫JA) バーにかかってきた電話 (ハヤカワ文庫JA) 探偵はバーにいる (ハヤカワ文庫JA)
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